娘を羨む
今年60歳で、定年である。
年金をもらえる65歳までは再就職ができるので、続けるつもり。こんなご時世で、続けられるだけ恵まれている。
続け方にもいろいろあって、フルタイムから時間給まで選べる。
もちろんフルタイムでも手取りは4割下がる。今の仕事以外するつもりはないし、そもそもできないので、4割下がっても職業選択の余地はない。
55歳頃に、自分に大きな変化があった。集中力が続かない。モチベーションが上がらない。新しいことに気持ちが向かない。
仕事が手に付かないというほどではないが、明らかに気持ちの変化を感じた。
59歳で、それが更年期障害らしいと気づいた。テストステロンが減少していた。実際に医者で調べて確認した。
ホルモン注射をしてみたが、あまり効果らしい効果もなかったので、3ヶ月ほどで漢方薬に変えた。
漢方薬が、すこしは役立っている気がする。気は心か。
自律神経に関しての症状はなかったので、単にやる気がでないだけと高を括っていた。
とはいえ、なるようにしかならないことなので、落ち込んだりはしていない。
もしわかっていたならば、なにか準備しただろうか。
いや、何もしてないだろうな。
定年の年に定年後のことを考えはじめた。仕事をしない自分。仕事以外のことをしている自分。仕事以外のことって、何ができる?
若い頃考えていた定年退職後の事は、その前提がすべて崩れ去った。
肉体も、脳も、自分史の全盛期のままを前提にしていた。
一番身近にいる老いの見本は、父だった。
父は93歳で亡くなった。最後の1年間は、病院で過ごしたが、亡くなる直前まで、脳は衰えることなく(少なくとも私は感じた)若い頃のまま明晰だった。肉体も、入院するまでは日帰り登山ができるほどだった。
結果論だが、私にとっては良い見本ではなかった。私の現実とは、違いすぎた。偉大なる父よ!
定年退職後の私は、何をしているだろう。
娘が最近、就職して初めてのボーナスでサックスを買って、吹きはじめた。もともとピアノを弾くことが趣味で音楽好き。音楽の教師を目指して、本格的に声楽を習ったりしたこともあった。
祖母から譲られた三味線と琴を弾くこともある。今日はギターを弾いていた。
すべて独学で楽しんでいる。テストステロンが羨ましい。
いつか娘のテストステロンが減少する日が来ても、この経験が活かされるだろう。
私にだってこのブログがある。悔しまぎれにちょっと呟いてみた。
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