ＮＨＫＢＳの番組で「美しき処刑人が見たフランス革命」を見ました。フランス革命の死刑執行人サンソンのお話です。

　内容は興味深いものでしたが、それよりもなによりも、一体世の中のどれくらいの人がサンソンなる人物を知っているのでしょう？　もちろん人生で初めて聞く名前でした。高校教師で、世界史を教えている若き知り合いに聞いたところ、知りませんでした。少なくとも高校教師レベルでの認知度は、ほぼありません。この番組を、いったい誰が見るんだ？　そんな人物を取り上げるＮＨＫＢＳが、僕は大好きです。

　サンソンは世襲の死刑執行人なのですが、熱心な死刑廃止論者でした。何度も死刑廃止の嘆願書を出しましたが、結局実現することはありませんでした。死刑制度が廃止になることが、死刑執行人という職から自分が解放される唯一の方法であると考えていたと手記に書き残しています。インテリなんですよ。

　フランス革命で大勢の人々の死刑を執行した結果、病んでしまいます。貴族階級並に高級レストランなどに入店できたにもかかわらず、アンシャン・レジームに位置づけられない身分！　何より一般市民からは、蔑まれる仕事でした。アンビバレントな人生です。だからメンタルが崩壊するのも、当然ですよね。

　あれっ！？　検索してみたら、稲垣吾郎さんのお芝居「サンソン―ルイ16世の首を刎ねた男―」が出てきた。しかも脚本は中島かずきだ！　番組と何かつながってるのか？
う～ん、「僕は大好きです」は、ちょっと保留します。