wasuremono60のブログ

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三体・・・三体問題を知る

 劉 慈欣(リウ・ツーシン)作、「三体」(早川書房)を読了しました。あくまでも、三部作の一部のみです。私はSFファンではありませんが、とても面白かったです。


 タイトルの『三体』とは、太陽が3つある惑星のことで、その惑星の宇宙人とコンタクトしたところ、宇宙人たちが地球を滅ぼすためにやってくる話です。感想を見ると、「文化大革命」の章が、よくわからないという人が多いのですが、文系の私にはこのあたりはとても面白かった。逆に物理に関するエピソードが、やはり難解でした。


 「三体問題」は、私なりにイメージしながら読みました。いまだに完全には解決されず、現在でも科学者がその答えを探し続けていることなので、あくまでも自分勝手なイメージです。しかし、終盤に出てくる三体世界では、9次元までを操作する技術を有しているとか、智子という、1個の陽子であるコンピューターとかは、全く理解不能でした。


 そういうわけで、お前には本当の面白さはわかってない、と言われそうです。しかしそれでも面白かったです。面白く感じる最大の理由は、翻訳された文章がとても読みやすいことです。正直全く理解できない場面もありましたが、それなりに十分楽しめました。今まで海外の有名なSF小説を読んでも、翻訳された文がちっとも頭に入ってこないので、楽しめませんでした。翻訳小説がダメという訳ではないのですが、SFに関しては良い思い出がありません。しかし「三体」は、違いました。


 村上春樹ファンや、文学愛好家からは笑われそうですが、村上春樹の小説を読むように、読めました。ストーリーも、その難解さの部分も含めて、私には村上春樹の小説と錯覚するくらいの感覚になりました。何を隠そう、私は小説家では村上春樹が一番好きなのです。その村上春樹を読んでいる感覚になったのでから、面白くないはずがありません。


 2部3部も、これから読もうと思っています。読書はするのですが、最近は小説を読むことがなく、久々に小説の面白さに触れることができました。「村上春樹が好きです」などと言いながら、何年も忘れてたことに気づきました。