wasuremono60のブログ

突然ブログをはじめました

「TOKYO MER」と「ナイト・ドクター」

 偶然にも、2本の救急救命TVドラマの放送が終わりました。
 1本は、オペ室を搭載した大型車両が、事故や災害の現場に駆けつけて救命処置にあたる「TOKYO MER(TM)」。
 もう1本は以前このブログで取り上げた、夜間専門病院のドラマの「ナイト・ドクター(ND)」。
 一言でいうと、TMは、命を顧みないスーパードクターに、周りが振り回されながらも共鳴していくストーリーで、NDは、若い医師たちの青春群像劇です。


 実はNDについて、以前やや批判的に取り上げました。若き医者たちの背景が、ドラマとしてはありがちな設定で、共感できない・・・という内容でした。終わってみると、その点を除けば青春群像劇として面白かったです。若者たちの成長を描くという定番群像劇ですが、定番の恋愛要素はないし、さしてドラマチックな展開もありませんでした。しかし、かえってリアリティがありました。前半の個人の背景をあまり引っ張らずに、成長物語に徹したのが良かったです。


 TMは手術場面が売りだけあって、日本でも手術シーンだけで見せられるドラマがやっと登場したのに拍手です。25年以上前に、ERという衝撃的な米ドラマに、やっと追いつけたかも、と当初思いました。事故や災害の衝撃シーンをふんだんに取り込み、息もつかせない展開の連続。スーパードクターが次々とけが人を救っていきます。半沢直樹をすぐに連想させましたが、実際に制作陣に関係者は多数いたので、当然でした。
 しかし一方で、テンポの良さと引き換えに、手術以外のリアリティをすべて捨ててしまいました。


 そのせいで、ドラマに感情移入が全くできませんでした。大きな災害現場に、警察や他の救急車もいなければ、ビルの倒壊や毒ガス災害に自衛隊もいない。立派な司令室にいる大勢の人員は、一体何をしているのでしょうか。とにかく手術シーン以外のすべてが、嘘くさい。とりわけスペクタクルシーンのB級感が、このドラマをいかに安っぽくしたか。政治的な背景もマンガチックで正直アホらしく、無差別テロ犯が主人公に復習する理由も、稚拙で子供だまし。金融機関を舞台に成功した半沢直樹風味も、災害やテロが舞台では、通用しないということでしょうか。


 はじめのうちは災害現場に行くのに、ヘルメットもかぶっていませんでした。誰かが指摘したのか、途中の回からかぶり始めました。大事のために、小事を犠牲にする精神が、結局すべてを犠牲にしてしまったようです。残念。