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映画「恋妻家宮本」

 wowwowで「恋妻家宮本」を見ました。原作は未読ですが、重松清「ファミレス」を遊川和彦が監督・脚本しました。子供が成長して、結婚し家を出た後の夫婦の話を、阿部寛と天海祐希というコメディーの手練れ豪華キャストが、ハートウォーミングに演じました。


 感動要素より、コメディー要素を強調した作品です。ただ、原作の感想にも感動要素は少なくて、コメディ要素が強いというものが多かったので、遊川監督もそこが気に入ったのでしょう。


 私の感想ですが、「まあまあ」でした。原作にあるのか、映画オリジナルなのかわかりませんが、「正義はぶつかるが、優しさは溶け合う」エピソードは、なかなか良かったです。しかし、熟年離婚かと思わせる夫婦が、結局よりを戻すというメインの話が、今一つだったです。


 原因は、たぶん天海祐希さんです。もしくは天海さんへの、演出です。天海さんはとても上手な役者さんであり、コメディも達者です。しかしラブシーンは苦手に見えました。もちろんコメディなので、ラブシーンといっても濃厚な場面はありません。それでも「本当に夫を愛しているんだな」と思わせる演技としては、疑問でした。中学校の生徒たちとのエピソードが、感動的だったのに残念です。


 ただ、ラストのファミレスで、拓郎の「今日までそして明日から」を出演者全員で歌うのは、個人的には好きなラストでした。
 原作の「ファミレス」が、「ファミリーレス」に掛かっているというのは、さすが重松清だと思いました。「愛妻」ではなく「恋妻」というのは、いまいちですよね。