晴天を衝け 「パリの御一新」
オリンピックが終わり、大河ドラマが再開した。
「大河? 朝の連ドラと基本は同じだろ」という作者の声が、私だけに聞こえた時から、ファンになった。ちなみに朝の連ドラは「あまちゃん」以外、見たことがない。
パリでの渋沢一行は、日本で何が起きているのかわからずにみな落ち着かない。
大河ドラマの、しかも明治維新の舞台がパリって、もうわくわくするしかない。
そういえば、「いだてん」のストックホルムも良かったな。
情報が全く無く、1本の手紙すら真偽がわからない栄一たち。
この場面で、渋沢の壮大なオリジナル・ストーリーをでっち上げない作者に、拍手。
情報不足で焦る様子だけで、物語は地味だが人間模様を表現する場と、割り切った選択は大正解。
明治維新といえば、有名人目白押しなのに、あえて名前も知らない役者を歴史上の人物にキャスティングして、ちょこっと(実際には言ってもいない)セリフ言わせてハイおしまい。歴史の再現ドラマじゃない!っていう自負心が、この作者の真骨頂か。(勝手に解釈)
だからパリ編も良かった。
会話のやり取りがわかりやすいだけでなく、会話のない場面での伝えたいことが、とっても伝わってきて、楽しめる。作者も演出もGOOD。
前作の「麒麟が来る」は、主役をはじめ、登場人物が何を考えているのかさっぱりわからない場面が多く、フラストレーションがたまりまくった。登場人物に対して「この人何考えて行動してるの?」って疑問を持ち始めると、感情がないゾンビと同じに見えてくる。新解釈信長像は面白かったが、主役の光秀が最後まではっきりしなくて、1年を棒に振った。
過ぎたことは忘れましょう。それよりも、渋沢栄一がどんなふうに晴天を衝くのか、目が離せません!
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